社内外で、データを共有(やり取り)するのにはいくつもの方法があります。
一番手っ取り早いのは、メールでデータをやり取りする方法です。この方法は手軽に始められますが、セキュリティが気になりますし、データの受け渡しが煩雑になりがちです。
そして、クラウドを使ってデータを共有する方法もあります。セキュリティの面で多少は安全になりますし、データの受け渡しが、比較的スムーズに行えます。また、ワープロや表計算なら、MS office367やGoogleアプリで、クラウドであることを気にすることなく共有することができます。
最も有効な方法として、VPNを利用して、会社のサーバーに外部から直接アクセスするという方法があります。
通常回線を仮想専用回線として利用するため、比較的安全性が高く、社内の共有サーバーに直接アクセスできるため、社内とほぼ同様に共有ファイルを扱うことができます。
メールを利用したデータ共有
メールでデータを共有・交換するにはいくつかの方法があります。
最も手軽な方法は、既存のメールでデータを送受信する方法です。セキュリティ面が気になりますが、普段から取引先とデータのやり取りしているのなら、日常的な業務データであれば問題ないでしょう。
もちろん、財務データや社外秘のデータなどをやり取りするのには注意が必要です。

プロバイダで入手した個人のメールアドレスを業務で使用するのは、セキュリティ的に問題があるだけでなく、経費として計上する際も面倒なので、業務用の新たなアドレスを貸与するのがいいでしょう。
ワープロや表計算などのデータであれば、添付ファイルとして問題なくやり取りできますし、圧縮してパスワードを設定すればより安全になります。
ただし、画像や動画などは、ファイルサイズが大きすぎると、送信できないことがあります。

個人のアドレスとは別に、GmailやYahooMailなどのフリーメールのアドレスを新たに作成して利用する、という方法もあります。
個人のアドレスの場合、既存の宛先に間違って送信してしまうことが懸念されますが、新しいアドレスを仕事専用にし、宛先のリストも限定することで、ご送信が防げます。
ただし、結局メールなので、添付ファイルの大きさに制限があります。

社内のメールサーバーを外部からアクセスできるようにし、自宅などから、社内にいるのと同じようにメールをやり取りする方法もあります。
この場合は、メールソフトを新たにインストールするなどして、個人のメールと混じらないようにすれば、ご送信が防げ、取引先とのメール交換もスムーズです。
社内のサーバーを開放することになるので、その部分のセキュリティに注意する必要があります。やはりメールなので、添付ファイルの大きさには制限があります。
クラウドを利用したデータ共有
汎用のクラウドとしては、OneDriveやGoogleDriveなどがあり、多くの場合、ブラウザや専用ソフトでデータのアップロードとダウンロードが行えます。
また、エクスプローラなどのファイラーに、直接表示させられる専用ソフトが用意されていることもあります。
その他、ビジネス向けのクラウドシステムなどもあります。

OneDriveやGoogleDriveなど、汎用のクラウドで、データを扱う方法にはいくつかあります。
最も手軽なのは、ブラウザを使う方法です。
ブラウザで、ログインすれば、直接ファイルのダウンロードとアップロードが行え、フォルダの作成もできます。
手軽である反面、複数のファイルを頻繁に操作するのにはあまり向いていません。

もう一つの方法は、専用ソフトなどを利用して、パソコンのフォルダとして認識させる方法です。
この方法であれば、エクスプローラなどのファイルマネージャーで、外部ドライブのように扱えるので、会社のサーバーでファイル共有をしているのと同じ感覚でファイルの共有ができます。
その他にも、パソコンのローカルフォルダに関連付けることもできますが、この方法は共有というより、バックアップに適しています。
また、FTP接続する方法もあります。この場合、FTPクライアントでの操作が基本ですが、実務で使うのであれば、やはりファイルマネージャーに外部ドライブとして認識させた方がいいでしょう。

OneDriveやGoogleDriveなどは、それぞれのOffice367、GoogleOfficeを利用すれば、クラウド上のファイルを直接読み込んで、操作することもできます。
ダウンロードやアップロードという操作が必要なく、直接開くことが出来るので、ストレスなくファイルの共有が行えます。
VPNを利用したデータ共有
データを会社のサーバーで管理したまま、社外でデータを共有するには、VPNを利用します。
VPNは、一般のインターネット回線で、社内サーバーに接続しながら、暗号化された特殊な接続で、専用回線を使っているのと同等のセキュリティを実現する技術です。

一般的な方法としては、サーバーにVPNソフトを組み込み、外部からアクセスするためのアカウントを作成します。
あとは、社内のサーバーに接続するのと同じように、自宅などリモート先のパソコンからネットワークに接続するだけです。
普段社内で接続しているのと同じ感覚で、ファイルにアクセスできるので、ストレスが少ないです。
VPN対応のサーバーを利用しているのであれば、専用のシステムを組み込むだけで、VPNが利用できます。
使い方は、ソフトウエアによるVPNとほとんど同じです。
純正の追加システムがほとんどなので、親和性が高く、サーバーの負担も少ないものが多いです。
サーバー規模や共有の頻度で選定
どんなファイルをどの程度の頻度でやり取りするかによって、職場に適したファイル共有方法は違ってきます。
ワードやエクセルなど、Officeのデータをやり取りするだけなら、メールでも構わないかもしれません。
しかし、使いやすさを考えると、クラウドを外部ドライブ化するなどの方法で、ローカルデータであるかの如く、ストレスなく手軽に操作できた方がいいでしょう。
また、画像や動画など大きなファイルを共有する場合も、クラウドであれば制限が少なく、問題が起きにくいです。
さらに、クラウドであっても、社外にファイルを置くのは不安だというのであれば、VPNを使う方が安心できるかもしれません。
もちろん、VPNを使うにはサーバーの性能が重要になります。
どの方法を利用するかは、共有の頻度とサーバーの規模によって検討するといいでしょう。