予約(ブッキング)システムを作る

クライアントの発注で、WordPressで予約システムを作ることになりました。予算も時間も限られるの、既存のプラグインを使って作ります。

これまでにも、ビデオやフォトギャラリーをプアグインで作ってきましたが、今回はビジネスに直結するページになるので、プラグインの選定に少々時間がかかりました。

ざっくりと、予約システムの仕様など

今回は、50人程度の研修向けの予約システムで、研修自体は無料。毎月数回の開催に対して予約を受け付けるというものです。

インターフェイス:カレンダー型
コマ数:3コマ/日
開催日数:数日/月
受講料:無料
会場:複数(開催日による)
講師:未定
予約:ビジターOK(登録不要)
キャンセル:予約者のキャンセルOK
リスト出力:CSVダウンロード

この条件で、動作するプラグインを探します。

4本のプラグインを候補に検討

WordPressのプラグインページで、ブッキングやアポイントといったキーワードを英語で入力して、めぼしいモノの詳細ページで、仕様や機能を確認します。その中から、使えそうなプラグインを選んでをダウンロードし、テストサーバーにインストール。希望に沿った予約システムが作れそうな5本を選んで、ダミーデータを使って検証します。

ここで、紹介するのはその5本のプラグインです。

Booking Package

今回の予約システムで実際に採用したプラグインです。

日本語に対応しているので、操作が分かりやすく、トラブルが発生した場合も、日本語でメール対応してくれるので、安心して利用できます。

予約アイテムは、教室などの短時間のものから、宿泊のように一日以上にまたがるものまで設定でき、アイテムごとに複数の時間から選ばせることもできます。

今回はカレンダーから選択する方式で使用しましたが、アイテム選択から日取りと時間を選ばせることも可能。利用者やサービスの特性に合わせて選ぶといいでしょう。

予約の開始時間や終了時間の設定はもちろん、各アイテムの定員と、予約に伴う定員の増減をカレンダーなどに表示させることができます。

ユーザー登録していなくても予約が行え、予約リストは「UTF-8」「EUC-JP」「SJIS」でエキスポートできるので、帳簿管理などにも活用しやすいです。Macカレンダーツール「ical」とシンクロでき、icloudを使えばWindowsやスマフォとも連動させられるようです。

有料のアイテムの場合は、 現地での支払やStripe、PayPalによる支払いにも対応していますが、オンラインで手続きさせる機能には有料版が必要です。

その他、有料版でないと利用できない機能は、予約権限を登録ユーザーだけにするなどのユーザー管理、準備時間の設定、定員の残数表示、訪問者やユーザーの予約キャンセルなどです。

今回は、予約した受講者が自分で予約キャンセルできる必要があったので、有料版を利用することにしました。

無料のイベントやサービスで、予約キャンセルをメールや電話で受け付けても問題ないのなら、無料版でも十分だと思います。

しっかりとしたビジネスで利用するなら、やはり有料版の使い勝手がよく、安心して使えます。有料版の料金は月額4ドルで、初月だけ初期費用として4ドルかかります。つまり、初月は8ドル、それ以降は毎月4ドルかかることになります。

Easy Appointments

最後まで、候補に残っていたプラグインです。
アイテムが一つなら、 カレンダー表示から、日取りを選んで、予約できますが、複数ある場合はアイテムを選んでから日取りを選ぶプラグインです。ただ、アイテムはリスト表示ではなく、カレンダーと一緒に表示されるプルダウン選択なので、日取りを見ながら選べます。

Easy Appointmentsでは、会場、サービス(催事)、講師、コミュニケーション(日程)を設定することで、イベントの予約を受け付けることができます。
イベント毎に各項目を設定するBooking Packageとは、アプローチが違います。また、ここで言うサービスはオプション的なものではなく、イベントそのものを指します。

予約アイテムは、宿泊のように一日以上にまたがるものも設定できますが、本来は教室やコンサートなど、短時間で複数日に行われるイベントに向いています。

こちらは、アイテム選択から日取りと時間を選ばせる方がメインのようですが、カレンダーから選択する方式でも利用できます。
もともとはカレンダーの仕様がウィジェット用で、全画面表示には癖がありましたが、最新バージョンでは、全画面カレンダーに正式対応しています。

実際、予約のスケジュール(コミュニケーション)は、会場とサービス(催事)、講師(主催者、担当者)を選び、そこに曜日毎、もしくは日取りと時間を指定することで設定します。

ユーザー登録していなくても予約が行え、予約リストはCSVファイルでエキスポートできるます。
また、予約者が自分で予約をキャンセルする機能も無料で利用できます。

オンライン支払に対応した機能はありませんので、有料のイベントの場合は、現地での支払いもしくは、他の支払いシステムを別途用意する必要があります。

とにかく、手軽に予約システムを作りたいというのであれば、Easy Appointmentsを一度試してみるといいでしょう。

Events Manager

同じ主催者が、複数のイベント予約を管理できるプラグインです。
例えばコンサートのような興行や、複数ある店舗でイベントを開く、もしくはホテルや旅館などの客室ごとの予約などにも使えそうです。

このプラグインは、 ビジターの予約も行え、予約者のキャンセル可能。リスト出力がCSVでダウンロードできるなど、必要な機能が無料でそろっているのですが、予約受付フォームの柔軟性が乏しく、扱いづらいので、今回の仕様は見送りました。
日本語化されているので、最初はとっつきやすそうですが、仕様上なのか細かい 設定がわかり辛く、バリエーションに富んだ予約を受け付けるには、英語の解説を読まないと駄目なようです。
作者と使用者の思考の問題かもしれませんが、いまひとつ直感的に扱えないのも難点です。
単純に、コンサートや演劇などのチケット予約をするだけであれば、十分かもしれません。

 Booking Calendar

早々に、候補から消えたプラグイン。今一つ使い方がわかりにくいのですが、どうやら、単一の予約を受けるためのプラグインのようです。

予約を複数のイベントに分けるには、複数のカレンダーページ(予約ページ)を作る必要があり、個人時事業者などがアポイントやオファーを受けるのにはよさそうですが、ホテルや旅館、教室、学習塾などのは向いていないようです。
もちろん、イベント毎に複数のページを作成して、それぞれで予約を受けるようにすれば色々な使い道がありそうです。
例えば、宿泊施設で各部屋毎に予約カレンダーを作り、そこで予約が完結するといった使い方が考えられます。
いずれにしても、単一のアポイントで完結する仕様なので、あらゆる予約を一括して作って管理したい、というのであれば、ちょっと使い辛そうです。

今回は、企業研修用の予約システムということで、料金の支払いは発生しませんが、受講者が自由にキャンセルできることや、予約データをCSVでダウンロードできること、そして、カレンダー表示から感覚的に予約操作が行えることが求められていたため、Booking Packageを採用しました。

単純に、予約の植え付けさえできればいいというのであれば、Booking Calendarを試してみるといいかもしれません。

一口に、予約システムといっても、目的によって使い勝手の良し悪しも違ってきますので、一通り試してみるのもいいでしょう。


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